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2017-05-31

賃貸物件のオーナーになるなら正しく理解しておきたい原状回復の基礎知識

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賃貸経営で非常に多いトラブルが、退去時の原状回復負担です。

賃貸経営を考えるなら、そうしたトラブルを起こさないよう、原状回復について正しく理解しておく必要があります。

退去時の原状回復費はトラブルになりやすい

賃貸契約においては、借り主(入居者)は貸し主(オーナー)に「敷金」を支払うことが多くあります。

それは、「家賃や管理費・共益費で滞納が発生した場合の補填」「入居者が賠償すべき損害が起こってしまった場合の補償」「入居者が負担すべき原状回復費用」が必要になった場合に充当するための預り金です。

入居者が退去するとき、オーナーは、預かっていた敷金からそうした費用を差し引き、残金をすべて入居者に返還しなければなりません。

その差し引く額を考えるとき、判断が分かれるのが原状回復費用です。オーナーが「これは入居者が負担すべき原状回復費用だ」と判断しても入居者が納得しないと、その判断をめぐってトラブルが起こってしまいます。

そうしたトラブルの急増を受けて国土交通省が公表したのが、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。これはオーナーと入居者のトラブルを未然に防ぐことを目的として策定されたものとなっています。

原状回復に関する裁判例や取り引きの実務などをふまえながら、原状回復の費用負担のあり方についての一般的な基準をまとめたものです。

原状回復の基礎知識

ここからは、そのガイドラインに沿って原状回復の基本的な知識をみていきましょう。

原状回復の基本的な考え方

原状回復とは、賃借人(入居者)が借りた当時の状態に戻すことではありません。ガイドラインでは、原状回復は「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義され、その費用が入居者負担とされています。

他方、経年変化や通常の使用による損耗などの修繕費用は賃料に含まれるものとされ、退去時に入居者が負担するものではないとされているのです。

賃借人の善管注意義務

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入居者は、賃貸物件を使用するにあたって、物件に無用な傷や汚れが生じないよう一定の配慮を払う必要があります。これを「賃借人の善管注意義務」といいます。

この注意を怠って損傷を招いてしまった場合は、その損害を賠償する義務を負うのです。掃除を怠って拭えない汚れがついてしまったようなケースも、入居者の責任です。

しかし、普通に生活していても時が経過すれば内装などは劣化しますし、まったく無傷というわけにはいきません。注意を払い、定期的に掃除してもちょっとした汚れや傷が発生してしまうのは防ぎようがないことです。それは義務違反の対象ではありません。

賃貸人(オーナー)の負担となるケース

前述の「原状回復の基本的な考え方」をふまえると、建物の経年劣化や入居者の通常使用の範囲で起こる損耗は、入居者が負う原状回復義務の対象ではありません。

たとえば、家具を置いた箇所の床やカーペットが少しへこんでしまったり、冷蔵庫の背面の壁が黒ずんでしまったり、日照などの自然現象で壁紙が変色したりといったことは、通常の生活で発生するものとされ、オーナーの負担となります。

また、次の入居者を確保するためにハウスクリーニングや畳の表替えを行ったり、バス・トイレの消毒をする場合も、オーナーの負担です。

賃借人(入居者)の負担となるケース

賃借人(入居者)負担となるものは、善管注意義務を怠ってできた傷や汚れの回復が多いです。たとえば、飲みものをこぼしてしまったところをきちんと掃除しなかったためにカーペットにシミができてしまった場合や、引っ越し作業で床に傷がついてしまった場合などが該当します。

ほかには、飼育するペットがつけてしまった傷や、喫煙でクロスが黄ばんだりにおいがついてしまった場合も、入居者の負担です。

経過年数と特約も重要

入居人が負担すべき修繕費であっても、入居年数が長い場合は注意が必要です。入居者は、建物の経年劣化や通常の生活で起こる損耗に対する負担を、毎月の家賃として払ってきています。

それに加えて敷金から負担分を差し引かれると、入居人は二重の支払いになってしまいます。そうならないよう、入居者の負担については、建物の経過年数や入居年数に応じて負担割合を減らしていくのが適当とされています。

もう1つ、重要なのが賃貸借契約の特約事項です。法規に反しない範囲で、オーナーと入居者の合意があれば、契約に特約を設けることができるとされています。

そこでは、たとえばハウスクリーニングの費用を入居者が負担するなど、通常の原状回復義務を超えた負担を入居者に課すといった内容を盛り込むことも可能になります。そうした内容についても、書面でも口頭でも入居者と明確に確認しておくことが必要です。

おわりに

原状回復に関する退去時のトラブルは、オーナーがガイドラインをきちんと理解したうえで、賃貸が始まるときの契約をきちんと整備し、入居者と確認しておくことで未然に防げることが増えます。加えて、物件の状態がどの程度かということも、入退去時にはきちんと確認しておきたいものです。

入居してくれた方とトラブルになってしまうのは残念ですし、賃貸経営のうえでも負担が小さくありません。そうならないようにするためには、入居前の準備が大切です。